パソコンや携帯の使い過ぎで、目がショボショボ、年と共に目がかすんできた、最近視力が衰えてきたと感じるなんてことはありませんか?
え、目に鍼?!と怖く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ドライアイ、緑内障、目のかすみ、視力低下、眼精疲労も鍼治療で改善できます。
※ 実際の目に関する鍼治療の様子はページ真ん中の写真でご確認いただけます。
当社の中医はシンガポール国立・ナショナルアイセンターにて、ドライアイなど目に関する疾患への鍼治療について共同研究をしており、鍼・漢方・点眼など3つの方法を組み合わせた臨床実験を長年行っております。
目の潤いと漢方医学の考え方
漢方医学では、目は五臓のうち「肝」と関係が深く、目の疾患は肝機能の低下が影響していると考えます。漢方医学での「肝」と、西洋医学での肝臓は異なります。
漢方でいう肝の主な働き
- 気血の循環促進と調節
- 血液の貯蔵と血流の調整
- 精神安定など、情緒の調整
- 自律神経の調節
ドライアイの原因
目が乾燥してしまう主な原因は色々ありますが、現代人のドライアイの原因は目の酷使によるところが一番大きいでしょう。パソコンやモバイルなどを見すぎると、涙の量や瞬(まばた)きの回数などが減少し、眼球の表面が潤い不足に陥ってしまいます。
- パソコンやスマホなどの目の使い過ぎ
- 運転、暗いところでの読書
- エアコンなどによる空気の乾燥
- 空気の汚れ
- コンタクトレンズの長時間着用
- 睡眠不足
- 涙を出すマイボーム線の機能障害
- シェーグレン症候群(粘膜が乾燥する疾患)
- パセドー病
- 糖尿病
ドライアイの主な症状
ドライアイになるとこのような症状が現れてきます。仕事上、目を酷使する方は意識してまばたきをする、目の周りのツボを押したり、ブルーライトカットの眼鏡を使用したり、点眼液を常備しておくことをおすすめします。
- 目の乾燥感
- 疲労感
- 異物感
- モノがかすんで見える
- 何となく目に不快感がある
- 目が痛い
- 充血
- かゆみ
- 光を見るとまぶしい
ドライアイには瞬きを
そもそも人体は実に精巧に出来ておりまして、涙は上まぶたの外側にある涙腺で血液から作られ、眼球の表面でマイボーム腺からの油性分泌物などと混じり、眼球の表面を潤しています。瞬きするたびに、涙と分泌物が眼球の表面に膜を張り、目の乾燥を防いでいるのです。
瞬きには「涙作れ~!」と指令を出すお役目もアリ。瞬きが減少すると、眼球表面の乾燥だけでなく、涙の産生機能を低下させる可能性もあります。瞬きって大切なんですね。
漢方的ドライアイの治療
当サロンでは、まず原因を探り、体質や体調も考慮した上で、鍼と漢方薬を中心に治療します。例えば、パソコンの長時間使用で首肩が凝り、ドライアイになった場合。首や肩、手の甲などのツボに鍼を打ち、血行を促進させると共に、目の周囲のツボにも施術します(治療法は個人により異なります)。鍼と漢方薬を併用することもあります。
漢方医学的ドライアイの診断は主に、①肺腎陰虚(肺と腎機能が低下)、②肝鬱(ストレスやイライラで肝機能が低下)、③肝血虚(血が不足)の3タイプに分類します。
中でも多いのが①肺腎陰虚(肺と腎機能が低下)で、漢方薬は菊花やクコの実、ユリ根など、肺、肝、腎に効く生薬を主流にブレンドします。漢方薬処方の場合も、全身の状態―例えば不眠、便秘、ストレス気味―を考慮します。
ドライアイの治療調査データ
ショボ目だった私自身(中医です)、先日目頭にセルフ鍼(?!)を施術し、鍼の即効性を実感していますが、私の実体験だけじゃなく、客観データもご紹介しましょう。
※ 昨年Singapore Eye Research InstituteとSingapore Chung Hua Medical Institutionが共同で行ったドライアイの治療調査結果です。
各グループ被験者50人、治療期間4週間
- 鍼+点眼薬
目の周囲を中心に後頭部、手の甲、足に施術/週2回
点眼薬(人工涙液)1日4回 - 漢方薬+点眼薬
漢方1日2回+点眼薬1日4回 - 点眼薬のみ
1日4回(間隔2時間以上)
ドライアイが改善したとの回答率は、①88%、②80%、③72%でした。全体的に良好な結果で、特に鍼施術の有効性が実証されたと言えるでしょう。
※注意点
ひとつ目の鍼施術に関して注意点としては、効き目は高いのですが、目の周囲の皮膚はとても繊細。十分注意して施術しておりますが、ごく稀に青く内出血することがあります。1週間前後で消える一過性のものですが、施術前にリスクがあることをご了承頂いております。
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