このページでは漢方(中医学)による気滞の性質とおすすめの食材を説明しています。漢方(中医学)では、健康的でない偏った体質には8つあると考えます。
・気虚(体や内臓を動かす力が足りない)
・陰虚(体液が足りない)
・血虚(血が足りない)
・陽虚(体を温める力が足りない)
・気滞(体や内臓を動かす力の流れが悪い)
・水滞(体液の循環が悪く水が溜まっている)
・血瘀(血の循環が悪い)
・陽盛(体の熱が多すぎる)
気滞体質の特徴
- 神経質で敏感
- 胸脇腹に差し込むような痛みがある
- お腹の張りがある(ガスが出ると楽になる)
- 不安、不満のため息が多い
- 不信感を持ちやすい
- ゲップやおなら、しゃっくりが多い
- イライラしやすい
- 怒りっぽい
- 喉がつかえて締め付けられる感じがある
- 寝起きが悪い
- 緊張やストレスで調子が悪くなる
- 午前中に調子が悪い
- 炭酸水を好む
- 不眠がち
- 生理前調子が悪い
- 生理前に乳房が張る
- 生理は早く来るか遅く来るかで、正常範囲内に入らない
気滞の体質におすすめの食材
過半数の項目に当てはまる人は、気滞の体質を持っていると見て間違いないでしょう。内蔵などの体の働き(気の巡り)が滞っています。
気滞の人が摂るべき食材は、まず行気・理気の食材(気の巡りをよくする)です。気虚の文章でも紹介しましたが、復習として改めて列挙しておきますね。
行気・理気の食材として手に入りやすいものは、
【主食】
・そば
【野菜類】
・オレガノ※
・しそ※
・タイム
・玉ねぎ※
・チャービル※
・にんにくの茎※
・バジル※
・ピーマン
・三つ葉
・みょうが※
・レモンバーム(メリッサ)
・ローリエ※
【果物類】
・きんかん※
・グレープフルーツ
・すだち
・文旦
・みかん
・ゆず皮※
・ライチ※
【魚介類】
・かじきまぐろ※
【その他】
・フェンネルシード※
・カルダモン※
・クミン※
・ターメリック※
・ナツメグ※
・八角※
・カモミール
・ジャスミン※
・ローズ※
・ラベンダー※
・醸造酒※
・ワイン※
などです。気の巡りをよくするため、体を温める食材を多く取り入れたほうがよいです。※がついているのは体を温める食材です。
同じ理由で、体を温めて汗を出させる食材(辛温解表類)も取り入れたほうがいいでしょう。辛温解表類の食材で手に入りやすいのは
体を温めて汗を出させる食材
・青ネギ
・うど
・パクチー
・しそ
・しょうが
・ネギ
・コリアンダーシード
・シナモン
などです。
また、気滞の人は特に消化器官の巡りが滞っていることが多いので、消食類(消化を助けるもの)も同時にとりいれるといいでしょう。消食類で手に入りやすいのは
【主食】
・赤米
・米麹※
・発芽玄米
【野菜類】
・あさつき※
・オクラ
・かぶ※
・パクチー※
・大根
・チャービル※
・トマト
・にんじん
・パセリ※
・らっきょう※
・ラディッシュ
【果物類】
・いちご
・オレンジ
・かぼす
・金柑※
・クランベリー
・グレープフルーツ
・すだち
・パイナップル
・パパイア
・文旦
・ゆず皮※
【その他】
・カルダモン※
・コリアンダーシード※
・唐辛子※
・烏龍茶
・プーアール茶※
などです。
消化器官を温めて元気にする食物(温中の食材)も、できればとりいれましょう。温中の食材は
【豆類】
・なた豆※
【野菜類】
・かぶ※
・獅子唐辛子※
・高菜※
・にんにく※
・みょうが※
・レモングラス※
・わさび※
【魚介類】
・赤貝※
・鮭※
・にじます※
・ニシン※
・はぜ
・ます※
【肉類】
・鶏肉※
・羊肉※
【その他】
・黒砂糖※
・カラシ※
・カルダモン※
・クローブ※
・コショウ※
・酒粕※
・花椒※
・山椒※
・唐辛子※
・ナツメグ※
などです。
気虚の文章で取り上げた、胃腸を元気にする食材(和中・調中・和胃・健胃の食材)を使ってもいいでしょう。
また、不眠がちだったり、不信な気持ちを抱きがちだったりする人は、安神・鎮静の食材(精神を安定させる)をとりいれるべきでしょう。安神・鎮静の食材で手に入りやすいものは
【野菜類】
・春菊
・チンゲン菜
・百合根
・ローズマリー※
【果物】
・なつめ※
【魚介類】
・あさり
・あんきも※
・いわし※
・牡蠣
・かたくちいわし※
・ホタテ
【肉類】
・豚ハツ
【その他】
・烏龍茶
・カモミール茶
・紅茶※
・コーヒー
・ジャスミン※
・ラベンダー※
・緑茶
・ワイン※
などです。
気滞体質の人へのアドバイス、まとめ
まとめると、気滞の人は行気・理気の食材をメインに、辛温解表類や消食類、温中類、和中類をサブに料理を作るといいでしょう。そして、精神症状が強い人は、行気・理気の食材をメインに、安神・鎮静の食材をサブに料理を作るといいでしょう。
どちらも、なるべく体を温める食材を使ってください。スーパーの食材で、十分、気滞改善の食材が作れると思います。例とし
具体的なレシピ
・牡蠣とにんにくのワイン蒸し
・ホタテの青紫蘇あえ
・みょうがと玉ねぎの汁そば
・ラベンダー紅茶(ニルギリに1割ほどラベンダーを混ぜるのがお勧め)
・赤米入りご飯のチキンカレー
・鶏ささみと三つ葉のお粥
・大根とゆず皮の甘酢和え
・にんにくの茎と牡蠣の炒めもの
・バジルたっぷりミネストローネ
・ローズマリー紅茶
・ラム肉のピリ辛炒め
などが挙げられます。
また、これは食材というより生薬かハーブの扱いになるのですが、陳皮がおすすめです。これは体を温める理気類で、和中類でもあります。紅茶とブレンドしてお茶にしたり、刻んで薬味としてふりかけたり、様々な使い道があります。
陳皮は、ネット通販で手に入ります。Amazonや楽天で検索すれば出てきます。ぜひ使ってみてください。